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2007’11.21・Wed

魔女の悪夢

 初の超短編です。
とりあえず、シリアスなつもり。
ものスゴ暗い?ので、お覚悟あれ!





“Whizzies nightmare”
zzz1_p.jpg


“僕の……さん”



気を抜いてはいけない。
虫唾が走るような、甘い声が聞こえてくる。

嘲笑う、呼び声。



“僕の……お人形さん”



 解ってる。聞くまでもない。
―― アイツだ。
私が一番嫌いな単語で私を呼んでいる。
早く起きなくちゃ。目を醒まさなくちゃ。



“僕の可愛いお人形さん……”



 呪縛が私を捉えている……。
どんどん声が近づいてくる。
―― 息が、できないっ!



  ※ ※ ※



リ:「ただいま帰りましたー」


img20071121_p.jpg


レ:「……っ」

リ:「姉さんっ!?」

レ:「…っ……」

リ:「レリス姉さんっっ!!」


私の肩を勢いよく揺さぶって叫ぶリリス。
その強い呼び声を頼りに、意識を一気に浮上させる。


レ:「……あー……あぶな……。 助かった…。 ありがと、リリス」

リ:「大丈夫っ? 顔真っ青だよ……!?」

レ:「うん……」

リ:「待ってて! 今、着替えたらお茶とお薬入れるから」

レ:「うん…。 ……っ……」

 完全に油断していた。危うく介入を許すところだった。
―― 身体に目立った異常は? 精神に拒否反応は?
まず、四肢は動くか。
ベッドから、目の前の椅子に移動する。
椅子に座って改めて、汗ばんだ手と足の指先の感覚を確かめた。


  ※ ※ ※


リ:「はい。薬湯があったから、そっち入れてきた」

レ:「いい香りだね」

リ:「華丸師匠の手製の薬、まだストック残ってるけど……」

レ:「けど?」


img2008012_p.jpg


リ:「無理しないで、辛いんだったら師匠の所に行った方がいいよ」

レ:「今は駄目。あの二人が帰ってきてる」

リ:「そんなこと言ったって……」

レ:「いざって時は華丸を此処へ呼び寄せるから……
   ほら!収穫物の始末と夕飯の仕度でしょ?」

リ:「う、うんっ…! ……姉さん……」

レ:「なぁに?」

リ:「……なんでもない」


 リリスは気を使って、
いつもそう言う事で聞きたい事を我慢している。
私が聞かれても何も答えないのを、解ってしまっているから。


レ:「ルリスがそろそろ戻ってくる予定だから普通の食材も用意しないとね」


こういう時は、せめて……話題を変えてあげる。


リ:「ルリスちゃん、帰ってくるのっ!?」



2008y01m06d_051404035.jpg



そうはこの家に近寄らない妹の名に、声が途端に明るくなる。


レ:「リリス、もてなしも大概にしなさいね。どうせあの子、ほとんど食べないだろうから」

リ:「昔は何でも美味しい美味しいって食べてくれたのになぁ……」

レ:「あんたが悪いんじゃないよ。……あの子も悪くない」

リ「姉さん?」



img20080105_p.jpg


 私が悪い。
巻き込んだ幾つもの時計の針が狂っていくのを、
ただ黙って見ている事しかできないなんて。


レ:「寝ても覚めてもあんまり変わらないものね」


 許して欲しいなんて、思わない。
憎みたければ憎めばいい。それで気が済むのなら。
―― そうじゃないでしょう?
イカレた復讐劇の駒に、同情なんて感情は必要ない。

リ:「??」

レ:「……」

 すっかり動揺させられてるじゃないか。
高だか思念如きに、このまま乗せられてたまるかっての。


リ:「レリス姉さん?」


私は【お菓子な魔女】だもの。


レ:「なんでもない♪ 夕飯、まぁだ?」


そうね、悪夢だって喰らってみせる。





end.
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